
目次
はじめに
2024年度から問題内容がリニューアルされて、英検1級のライティング問題に「要約」が追加されました。
与えられた英文を読んで内容を理解し、その内容を90~110ワード程度の英文にまとめます。元の英文は300ワード前後なので、3分の1くらいに要約することになります。
単に短くするだけでなく、重要なポイントを押さえ、論理的かつ自然な英文にする力が試されます。今回は、この要約問題にどう取り組むべきか、私自身が取り組んだことや解答のコツを整理していきます。
要約問題の特徴
英検1級の要約問題では以下のような指示が英語で書かれます。
・記事を読んで可能な限り自分の言葉で英語で要約してください。
・90から110ワードの範囲で要約すること
あくまで提示された英文の内容要約が中心で、自分の意見や感想は不要です。
重要点を抽出する力と英文ライティング力の両方が求められます。
時間内に仕上げなければならないので、読み取りの速さも鍵になります。
リーディング・ライティングの両方のスキルが総合的に問われる問題形式です。
効果的な勉強法
まずは問題を解く
要約問題とは何なのかを理解するためにも過去問題や予想問題を実際に解いてみるところから始めましょう。
旺文社から出ている最新の過去問題集であれば、問題がリニューアルされた24年度の試験も収録されているので安心です。
同じく旺文社の最新の予想問題ドリルもリニューアル版に対応してます。
また、なるべくお金をかけずに過去問題に取り組むのであれば、英検公式サイトに直近過去3回分の問題と解答例が掲載されているので、こちらも活用できます。
英検公式サイト:1級の過去問・試験内容
🔸 紙に書く
試験は、HBの鉛筆かシャープペンシルで書くので、長めの英文を紙に書く、ということ自体に慣れていない場合、そこからの練習が必要です。普段、書き慣れていないと疲れますし、適切なスピードで書けなかったりするかもしれません。なので、まずは、実際に要約英文を紙に書いてみます。
解答用紙のサンプルは上記問題集にもありますし、英検の公式サイトにもあるので、印刷して活用しましょう。
英検公式サイト:解答用紙の記入方法
できた英文が何ワードになるのか数えおくと、自分の字の大きさでどのくらいの量だと指定の文字数になるのかを把握できます。
🔸 模範解答を確認する
自分の書いた要約文と模範解答を見比べます。確認すべきポイントは次の項目です。
✅ 重要なポイントを拾えているか
✅ 元の文章の丸写しになっていないか
✅ 不要な情報(細部・感想・意見)を入れていないか
✅ 語数が適切か(90から110ワードに収まっているか)
✅ 表現が簡潔で分かりやすいか(冗長な言い回しがないか)
✅ 文法・語法が正確か
また、模範解答そのものを分析することも必要です。
過去問や参考書の模範解答を、原文と照らし合わせて読むことで「どの情報を残し、どれを省いたか」が分かります。
🔸 自分の解答をAIに添削してもらう
自分の解答をAIに添削してもらいましょう。特に文法を確認するのに便利です。
手書きの文章は、スマホのカメラ機能を使ってテキストデータ化することができるので、それをコピーしてChatGPT、Gemini などのAIに貼り付けてみてください。
英文記事の要約練習を普段から行う
新聞記事や英語ニュースを使って、要約する練習を繰り返します。元の文がどんな長さでも、その3分の1にしてみる、という決まりを作ってやってみると文章を選ばずに済みます。
私は Wall Street Journal を購読しているので、この中の記事を使って練習していました。
長い記事に関しては、最初の10段落だけ読んで要約してみる、というふうにするのもいいと思います。記事1つ、まるまる要約しないとダメ、としてしまうと継続しずらいものです。
こちらももちろん、AI でチェック。
ニュースを読んで要約するのはリーディング力も強化できて語彙も増やせますし、要約作文のアウトプットはスピーキング力にもつながるので一石二鳥な取り組みです。
記事を読んだら、まず「主語(誰が)」「行動(何をした)」「理由や背景(なぜ)」をメモする習慣をつけると、文章の骨格が見えてきます。
🔸 日本語の要約から始めてみるのもアリ
いきなり英語で書くのが難しい場合、いったん日本語で要約してから英語に直すとスムーズです。
要約練習は英語力と考える力を同時に鍛える
要約の練習は、英語の試験対策を超えた「思考のトレーニング」になります。
文章を読み、要点を整理し、短くまとめるという過程は、英語でも日本語でも共通する考える力を育てます。
子供の受験でもよく朝日新聞の天声人語を要約してみよう、なんていうのがオススメされているのも考える力をつけるトレーニングになるからです。
そもそも要約できない、ということは、元の文章の内容をよくわかっていない、ということが言えます。
英文を読んでなんとなく分かった気でいる、ところ、いざ要約してみると実は分かっていなかったかも、ということを発見できたりします。自分の読解力を測るのにも要約に取り組む意味があるのです。
英検の要約対策を通して、「読む」「考える」「伝える」力を鍛えて、英語力のみならず普段の思考力も磨いていきたいですね。












