
サイトトランスレーション(Sight Translation)は、通訳訓練で使われる効果的な学習法です。英語の文章を目で読み、すぐに日本語に口頭で翻訳することで、英語の理解力と処理能力を鍛えます。これにより、瞬時に英語を把握し、自然な日本語で表現する力が身につきます。
似たような学習法にスラッシュリーディングと呼ばれるものがありますが、スラッシュリーディングは英語の文章をフレーズ単位(スラッシュで区切られた部分)で英語の語順のまま理解し、翻訳せずに読み進める方法です。
目次
サイトトランスレーションの方法
1. 使うテキストを決める
自分のレベルに合った教材を選びましょう。初心者は日本語対訳付きの教材から始めるのがおすすめです。例えば、短いニュース記事やエッセイが適しています。慣れてきたら、対訳のない文章(例: BBCの短い記事や英語の絵本)に挑戦してみてください。
2. 英語の文章を声に出して翻訳
テキストを目で追いながら、英語の文章をその場で日本語に即座に翻訳し、声に出します。事前準備はせず、一度で流れるように翻訳することがポイントです。分からない単語は文脈から推測し、必要なら後で調べます。
3. スピードと正確さを重視
目で見た瞬間に意味を理解し、すぐに日本語に訳出します。最初は難しいですが、繰り返し練習することでスムーズに翻訳できるようになります。まさに文章を通訳しているような感覚になると良いですね。
4. 自己フィードバック
自分の翻訳がどのくらい正確だったかをチェックすることも大切です。自分の翻訳を録音し、教材の対訳や自然な日本語表現と比較します。誤訳や不自然な部分がないか確認し、改善点を見つけましょう。録音することで集中力も高まります。
5. 難易度を上げる
教材に慣れてきたら、より長い文章や専門的な内容(例: TEDのスクリプトや英字新聞の記事)に挑戦しましょう。難易度を上げることで、語彙力や複雑な文構造への対応力も向上します。
どんな教材を使えばいい?
初心者には日本語対訳付き教材がおすすめです。
「毎日の英速読」では、スラッシュリーディング向けにフレーズが区切られていますが、これを口頭で日本語に訳すことでサイトトランスレーションの練習に活用できます。
TOEICのリーディング力を上げるのであれば、TOEIC公式問題集のPart7 の長文もそのまま使えます。
リーディングとして楽しみたいなら、対訳シリーズも良いですね。
Amazon などで “対訳 英語”と検索すれば、「英語で読む◯◯」、「英語対訳で読む◯◯」など、物語やエッセイの対訳本が豊富に見つかります。
サイトトランスレーションで得られる力
瞬時に理解して表現する力がつく
英語を見た瞬間に意味を理解し、それを自然に日本語に置き換える力がつきます。これにより、会話中の理解速度や反応速度も上がります。
翻訳スキルの向上
英語と日本語の言語構造の違いを意識するようになり、柔軟な言い換えのスキルが身に付きます。
リーディングスピードの向上
文章を一文ずつ正確に読み取り、すぐに意味を理解することで、リーディング力も自然に鍛えられます。
語彙力の強化
文脈から単語の意味を推測する練習を通じて、語彙力が増えます。
まとめ
サイトトランスレーションは、翻訳者や通訳者のトレーニングにとどまらず、英語を自然に使いこなしたい学習者にとっても非常に効果的な学習方法です。
いちいち訳すのは最初は大変かもしれませんが、細かく訳出しすることで、なんとなく分かった気になっていただけで、きちんと内容を掴めていなかった、といったことを把握できます。
週に数回の練習を継続し、徐々に難易度を上げていくことで、英語力全体がバランスよく向上します。ぜひ今日から始めて、英語の瞬発力を鍛えましょう!