
英語学習で使われる指標に WPM(Words Per Minute)というものがあります。
これは 1分間に何語「読める」/「話せる」か を示す、とてもシンプルでわかりやすい数値です。
WPM は英語力の「処理速度」を見える化できるため、
・読むスピードの成長
・話すときの余裕
・資格試験の時間配分
などに大きく役立ちます。
この記事では、リーディング・スピーキング・資格試験の3つの観点から、WPM について簡単にまとめました。
目次
リーディングの場合の WPM(読む速さ)
リーディングにおける WPM は、黙読スピードの指標です。
🔹ネイティブの平均
200〜300 wpm:一般的な読書スピード
300〜400 wpm:大学生・高度な読解をする層
🔹 英語学習者の目安
100〜200 wpm(多くはこの範囲)
語彙や構文の処理に負荷がかかるため、ネイティブより遅いのは自然です。
🔹 リーディング WPM を上げるメリット
・試験で「時間が足りない」が激減
・多読がラクになる
・海外講義など英語で学ぶ際に理解が追いつく
🔹 測り方
200〜300語程度の記事を黙読する。その際にストップウォッチで時間を測る。
結果を以下の式で計算してみてください。
語数 ÷ 分数 = WPM
スピーキングの場合の WPM(話す速さ)
スピーキングにおける WPM は、話すスピードを示します。
🔹 ネイティブの日常会話の目安
英語ネイティブだと、平均 180〜200 wpm くらい、とされています。日常会話は予想以上に速いのが特徴です。
🔹 TED トークのスピードは?
英語学習で定番のTEDトーク動画。こちらのプレゼン形式のものは、150 wpm 前後が多いです。ネイティブの日常会話より遅いのは、聞き取りやすさ、間の取り方、強調を重視するためのプレゼンだからです。
🔹 測り方
1分間の語数が分かればよいので、まずは1分間、録音しながら自由に話してください。
録音を文字起こしして、語数を調べます。
ChatGPTに入れる、Googleドキュメントなどのツールの文字カウントを利用すると語数はすぐに出ます。1分話した内容の語数であれば、文字カウントで出た語数がそのまま wpm になります。
2分以上話したものがあれば、語数÷分 で計算します。wpm は、全体の平均値となります。
TOEIC・英検での WPM の有効活用
資格試験は 「内容理解 × スピード」 が求められます。WPM を活用して、自分の目指す位置を確かめておきましょう。
・TOEIC リーディング
TOEICのリーディングパートはPart5, 6, 7 で全100問。試験時間は75分です。
時間内に余裕を持って解くためには、150〜180 wpm が必要になります。
・ 英検 リーディング(準1級・1級)
長文の語彙レベルが高いため、より速い処理が必要です。
目安は170〜220 wpm。
英検1級は難語が多いため、読めても速度が落ちやすいと言われます。そのため、WPM は速いレベルにしておいたほうが1級の対応力は高くなります。
・英検・TOEFL スピーキング
スピーキング試験では、内容の論理性、文法の正確さ、発音が評価されますが、WPMが安定していると、回答の内容が薄くならず、説得力が増します。
110〜140 wpm くらいが聞き取りやすさと内容の充実のバランスが良いとされるようです。
まとめ
WPM は英語の処理速度を見える化できる、とても便利な指標です。
TOEIC・英検の「時間不足問題」の解決に役立ちますし、上達が数字で見えるので、モチベーション維持にも効果大。自分が学習している英語音声のWPMを確認してみて、理想の速さをマネしてみてはいかがでしょうか。
英語学習を「感覚」よりも「データ」で理解したい、と考える方にはWPMの活用は特に有効と考えます。学習の節目に WPM を測りながら、着実に英語力を伸ばしていきましょう!












